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新作根付ストラップ
昨日複製が届いて、早速いくつかを塗装して仕上げてみました。素材から作品になっていく瞬間はいつもテンションが上がるものです。

とりあえずは2月のワンフェスとfwfにて販売いたします。
| 制作日誌 | 14:51 | comments(0) | - | - | - |
2017新カテゴリー
毎年のことですがこの時期はワンフェスに向けての新作根付ストラップの原型を制作している時期でほとんど年末年始を感じることなく過ごしております。
とは言え親しい友達が遊びにきたり、またこちらから出かけていったりとそこそ休日感があったりしていい塩梅です。
そんなわけでこれも毎年言っていますが冬のワンフェスが僕にとっての年越しという感じで今日も今日とて机に向かって原型の製作を進めております。

今年は作品展が多く予定に入っている都合で根付ストラップの新作はあまり増やせなそうな雰囲気です。
というわけで去年末から少しずつ根付ストラップの原型を作りためておりました。
こちらも年末に制作したもののひとつです。


アカメアマガエル
アメリカドクトカゲ
コツメカワウソ

前々から「根付ストラップを自分で塗りたい」「キット状態でほしい」「カラーバリエーションがもっとほしい」と言ったリクエストをいただいておりましたので未塗装状態で販売する根付ストラップをラインナップに加えます。
第1弾としてはこの3種ですが、塗装が楽しめるような生き物を選んでこのカテゴリーを増やしていきたいと思っています。
酉年だからというのは偶然ですが、今まで色がネックで作れなかった鳥たちもこのシリーズに積極的に加えていきたいと思っています。また両爬ではモルフが多彩な生き物たちや、カラフルな海水魚なんかも楽しそうです。
ご期待くださいませ。



また、これらの塗装見本品を2月11日、12日に開催するイベントにて販売いたします。
こちらは引き続きお知らせをおまちください。
| 制作日誌 | 18:16 | comments(0) | - | - | - |
年末いそがしいふり
あいかわらずいろいろな制作を並行して進めています。

冬の新作根付ストラップは久しぶりに黒レジンで複製のつもり。
その原型作りを進めています。


何年か前に募集したリクエストも参考にしつつ、新しいラインナップを模索中です。
前回早々に完売してしまったマレーバクとハシブトガラスも再生産の予定です。
| 制作日誌 | 21:54 | comments(0) | - | - | - |
シーラカンス ソフトモデル
先日、フェバリット社から発売になった古代魚シリーズ。改めてこのブログでも少し解説いたします。

最後はシーラカンス、この魚のために古代魚シリーズが企画されたといっても言い過ぎではないでしょう。
発売元のフェバリットはもともと恐竜や古生物に強いフィギュアメーカーで、そこからの流れでシーラカンスへの要望が集まっていったようです。
恐竜時代から姿を大きく変えることなく現代まで生き残ったシーラカンス、そういう意味ではこの生きものにこそ「生きた化石」という二つ名を掲げるにふさわしい魚です。しかし、古生物、つまり絶滅した生きものを復元しるという手法と現生生物を作るということは、ほんの少しだけ考え方やアプローチが違ってきます。そんなこともあって現在フェバリット社でレギュラーで活躍している古生物造形作家さんではなく、現生生物を作り慣れていて、魚に比較的強い私のような作家が改めて選ばれたのだと思います。



シーラカンスは前回お話ししたシルバーアロワナ同様、私が少年時代、ある程度大人になってからの趣味時代、そして造形を仕事にするようになってからも個人的に、また依頼されたお仕事としても何度も取り組んできたモチーフです。
インターネットで画像検索・・・なんてことが影も形もなかった時代から作っていますので、それなりに資料はそろっていますし、サイエンスの場にも顔を出すようになってからは研究者さんから資料をいただくこともありました。さらにテレビや映像ソフトで生きている姿を見ることもできますし、ダメ押し的に数年前から沼津深海水族館で実物の冷凍標本なんてものまで拝めてしまう、シーラカンスを造形するにあたってはほんとうにありがたい時代になったものだと思います。
でも、それでもまだ、実際に生きて泳いでいるシーラカンスを見たことがある人、ということを考えると、おそらく(適当な勘で言いますが、)今までで100人いるかいないか、そのくらいじゃないのかなあ、と思うのです。
ここを読んでいただいているあなたも、そしてもちろん私を含めて「生きている状態のシーラカンス」を見たことがる人はいないのでは?と言い切ってしまってもあながち間違えではないのかな、と思うのです。

今回シーラカンスを製作するにあたり、なによりその点を強く意識して、つまり「自分は本当の意味でシーラカンスのことをわかってはいない」ということを肝に命じて、注意深く仕事を進めていきました。



今回、というか私の場合いつものことなのですが、シーラカンスを製作するにあたって強く心掛けたのは「生きて泳いでいる姿のシーラカンスを再現する」ということです。

そのために国内のシーラカンス研究者さんと、またコモロで水揚げされてまだ生きている状態のシーラカンスを見たことがある人に協力を依頼しました。商品にはクレジットされていませんが実質的に監修をしていただいた形になります。研究者さんには途中経過の原型の画像を見てもらい、修正をくりかえしました。またコモロでシーラカンスを見た方には印象や生きているときの体色や目の色について教えていただきました。
その過程で多くの間違いに気づかされ、それを細かく修正していきました。

前述したとおり、私なりに多くの資料を準備して製作にとりかかりました。ですがさらにそこからピックアップされた修正点は資料を見ているだけでは気づけないポイントばかりでした。つまりそれは、生きているシーラカンスと標本にされたシーラカンスでは多くの差異が生まれてしまうということです。
剥製にすれば人の手によってプロポーションが変わってしまう点、たとえ冷凍標本であってもアフリカからの移動の際に生まれる劣化、さらにどんな標本でも乾燥による収縮、液浸標本でいえばある程度の崩れなどが生じます。乾燥について細かく言えば、身体とヒレ(肉鰭)の部分では収縮率が違ってきます。目のような水分を多く含むパーツは特に収縮してしまい落ち窪んだような状態になり、眼球と目の周りに隙間を生じさせます。他にも標本と生きている状態での違いを指摘してもらい、それらを丁寧に修正していくことで今回のシーラカンスは完成しました。


また色について言えば、写真や映像で見る限り体色は深い青、そして緑の目が特徴的ですが、これについても本当のところを知りませんでした。シーラカンスが棲息するのはある程度深い海で撮影には照明が不可欠なはずです。それによる照り返しでたまたま目が緑に見えているだけではないのか?等の疑問があり、標本となってしまった後ではそのあたりも判然としないために、実際肉眼でシーラカンスを見たことがある方の意見は貴重なものでした。
実際の商品を見ていただくとわかりますが、生きている間シーラカンスの目は鮮やかなエメラルドグリーンだそうで、体色もこのような青だということです。これを聞いたときにはほんとうにうれしかったのを覚えています。


余談になりますが、私が過去にキアンコウの幼魚を作った際のことです。実際のキアンコウの幼魚は白に近い茶系の体色でほのかに透き通っています。ですが、水中でブルーに光る幻想的な写真がダイバー写真家の手によって何枚も撮られており、それがとてもきれいだと思ったのでブルーに塗装したのでした。
そういうこともあるので、シーラカンスが本当はどんな色なのか、見た人に聞く必要があったのです。




やっぱり長くなりました。というかもう少し語りたいポイントもあるのですがやめておきましょう。

最後に、僕はまだやったことはありませんが、今回の真逆のアプローチ、シーラカンスを幻の魚として幻想生物的に捉え、ケレン味たっぷりに怪獣的に造形するのもなかなかいいものだと思います。今回、監修者さんとの情報のやり取りも含め自分なりに究極の答えをひとまずやりきったという感覚もあります。なので次にトライするとしたら怪獣的な、幻想博物画的なシーラカンスを作ってもいいかしれません。
それからゆくゆくはリアルサイズの製作も視野に入れています。その意味でも今回のシーラカンスの製作は僕にとってもかなりの収穫を得ました。

まあとにかく今回の仕事は現状でシーラカンス、特に生きた状態で泳いでいるシーラカンスの立体物としては自信をもってオススメいたします。

| 制作日誌 | 23:59 | comments(0) | - | - | - |
シルバーアロワナ ソフトモデル
先日、フェバリット社から発売になった古代魚シリーズ。改めてこのブログでも少し解説いたします。

3体目は個人的に思い出深いシルバーアロワナです。


インタビューにもすこし書きましたし、いろいろなところで答えているのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、私がはじめて作った生きものフィギュアがシルバーアロワナです。つまり私のキャリアのはじまりの生きもので、あの頃よりももっと他の生きものを知っていますが、いまでも大好きです。
それ以来、社会人になってからはじめて生きものジャンルで出展したワンフェスでも、勤めていた仕事を辞めてプロになることを意識して臨んだイベントでも、起死回生を狙って(?)「とにかく大きなものを作る!」と思って作り始めたのも、いつも気が付くとその都度シルバーアロワナを作っていたのでした。ですので今回のフェバリットさんとの仕事で今までの私の仕事よりも幅広く手に取ってもらえる形で再びシルバーアロワナを作ることができたのは本当に嬉しかったです。

一方で、シーラカンスも私が何度か挑んできたモチーフです。シーラカンスはその都度資料を集め、だんだんと手持ちの資料も増えてバージョンアップしていくことになるのですが、シルバーアロワナは大型個体も含めて何度も本物を見てきましたし、詳細な資料も手に入りやすい魚です。ですのでシーラカンスは見えているのに手が届かない崇高な存在というイメージに対し、アロワナは私にとっては旧知の仲というような存在です。(現地で見たわけではないので、それも一方的な親近感にとどまりますが…)
というわけでシルバーアロワナはどのように作ればより魅力的になるか、カッコよさや繊細な美しさを引き出せるのかは、今回の製作に手を付け始めるときからすでに固まっていました。それ故にやりやすかったという気持ちもあったはずなのですが、この記事を書くために1年前に集めた資料を眺めていたら思いのほかこの魚についてのものが多くて意外でした。とくに背中の鱗の並び方はこれまでに何度か資料を集めたはずですが、今回改めて図解のメモも描いてあっておそらく久しぶりのアロワナにけっこう気合が入っていたんですねえ。

今回の4体の魚とも成魚の時の体型や雰囲気を意識して製作していますが、シルバーアロワナだけは老成個体とまではいかない成魚は成魚ですが少しだけ若い雰囲気で製作しています。ここからさらに育つと顔も身体ももうしこし丸々と張りが出てきて大変貫禄と重厚感があってカッコいい感じになっていくのですが、いや本当はそっちのほうが個人的には好みなのですが、このフィギュアの20cmというサイズの中に落とし込むとちょっとだけ間抜けで、ぼんやりとしたイメージになってしまうと思い、ヤングアダルトのシャープさの残る個体をイメージして造形しました。筋肉が引き締まった抜身の太刀のような鋭さで不敵に泳ぐ姿を再現することができたでしょうか。口が少しだけ開いているのは、狩りをし終えた後、満足げに口を開閉させつつ泳ぎ去る・・・といったようなイメージを与えたかったからです。とはいえ妄想の範囲ですが……
造形的にも完全に口を閉じているよりも少しだけ空間があってそこから細かな歯が並んでいるほうが面白いかな、と思ったことも少しだけ口を開けた理由のひとつです。


子供時代、飼いたくて、飼うことができず、そこからシルバーアロワナを作ったことがきっかけになったことが生きもの造形を始めるきっかけだったことを前述しましたが、大人になってからこの魚を飼うことができるようになった今現在もこの魚を飼ったことはありません。何度か飼うことを考えつつも飼うには至らなかった大きな訳は、水槽で飼い続けることによって野生下とは違ったプロポーション、顔つきになってしまうということが大きな原因で、特に目垂れと呼ばれる現象はこの魚の魅力を大きく損なってしまう要因のひとつです。
対して野生下の個体は他の魚との争いや流木などによって鰭が裂けてしまったり、体に傷がついてしまったりすることが多く、老成個体になればなるほど勲章のようにその体に歴史が刻まれていきます。それはそれで雰囲気があるのですが、これもやはり作り物にしかできない事、アダルトサイズの体型のまま傷一つない、もちろん目も垂れたりしていないピカピカの個体を再現しました。
この話題、今までの2体も、そして最後のシーラカンスでも触れますが、生きている生物そのもの、そしてそこから作り出される標本に対して作り物がもちえるアドバンテージはなんだろうとずっと考えています。特にリアルに作る生きもの造形という表現においては、これから先もずっと考え、試していく課題です。



それから、これも今回の4体について共通の見どころなのですが、台座についてもいろいろと想いや意見、最終的には妄想じみたものを入れて製作しています。
まず一番気を付けたことは、<水>というその物自体目に見えづらい空間を泳ぐ魚たちをどう自然に見せつつ、フィギュアとして「飾って・置く」ことで魅力的に見せるのかということ。そしてそれに付随して台座そのものをどういう形にするのかということを考えました。
中でもシルバーアロワナの台座はお気に入りの出来ですので、それについて解説を加えてからシルバーアロワナについての紹介をしめたいと思います。

まずは過去のアクアライフ誌、アクアジャーナル誌、それからネットを駆使しつつアマゾンのシルバーアロワナが棲んでいる様子とそこに落ちている流木の形状を調べました。とは言えこの過程は自己満足的な、むしろ自分の創作、造形モチベーションを上げるために個人的に必要な工程です。リアルに作ろうとしたときには特にその生きものが棲んでいる環境もいっしょに気になってしまいます。
シルバーアロワナの場合は流木があり、実際のところはわからないのですがあまり大きな石は見つけることはできなくて水底に落ち葉が堆積しているような風景を見つけられましたので流木と落ち葉でシルバーアロワナが泳ぐ風景を作っていきます。
モチーフが決まったらあとは空間作りです。
上にのるシルバーアロワナの泳ぐ速さ、台座がによって作られる奥行き感を考えながらあくまでシルバーアロワナを引き立てるわき役として製作していきます。これは今回の4種を比べてもらえるとわかりやすいかもしれません。
アロワナはスピード感、速くはないがそれなりのスピードで意思を持って前に泳いでいく感じ。
ピラルクーは4種の中で実際には一番大きいので、台座の流木も大きくどっしり。アロワナほど早くはありませんが悠々と泳いでいくようなイメージ。
エンドリケリーは水底近くをぬるんと。スピード感はあまりつけず落ち着いた感じ。
シーラカンスはほとんど静止していて、各鰭をゆっくり動かしながら海底近くでホバリングしているようなイメージです。潜んでいる岩場の形状も独特だったのでそのへんもモチーフとして参考にしています。

とはいえこれもある種の妄想力。文章として書くと緻密に考えているようにも読み取れますが、本当のところは「こんな感じだとかっこいいかも〜」くらいで、自分の見たい風景を作っていきます。
| 制作日誌 | 21:50 | comments(0) | - | - | - |
ピラルクー ソフトモデル
先日、フェバリット社から発売になった古代魚シリーズ。何度かこちらで紹介しておりますが、改めてこのブログでも紹介記事を書いてみようと思います。

2体目は世界最大の淡水魚と言われるピラルクーです。


と、いきなり脱線しますが、この「世界最大の淡水魚」という称号はとても微妙かつデリケートな称号であることはここを読まれている皆様におかれましてはご存じのとおりかと思います。もののためしに「世界最大 淡水魚」と検索していただければピラルクも含めて様々な魚の名が列挙されることでしょう。先日放送された某局の「大アマゾン」においては「世界最大の鱗を持つ淡水魚」という紹介のされかたをしておりました。これはさすがにすこし苦笑いしてしまいましたが、まあ「分かってるな」と思ったものです。
一方フェバリット社と私も含めての見解は「世界最大級の淡水魚」ということでおちついて、商品レビュー、インタビューともにその形容詞を使用しております。
しかし、他の方がどう思われるのかわからないのですが、僕個人にとっては「ピラルクー」といったら「世界最大」とくるわけです。きてしまうわけなのです。世界最大の称号をどうしてもピラルクに背負わせたいと思ってしまう、呪いめいた心情をやはり捨てきれないのも僕の正直な気持ちです。でも、おそらく違うけどね(笑)


そういう、ピラルクーのフィギュアを製作するにあたって僕としては決められた大きさ(20cm)の中で巨大感を演出するのか、一方監修者の五十嵐さんはピラルクーの赤はどこまでのるのか、ということにそれぞれ頭を巡らせておりました。
モチーフにしたのはやはり成熟しきった大型個体のフォルム。貫禄たっぷりで背中が力強く盛り上がり、身体の後半はごつごつとしたような、ぬるんとしたしたような、矛盾する印象を併せ持った存在感を作り上げる。エンドリケリーとは違い老成個体の資料はほとんどがワイルド物なので、体のフォルムについて悩むことはあまりありませんでした。
その一方でエンドリケリーは実物を買ってきて眺めることができましたが、ピラルクーではそういうわけにもいかず、体の細かなディテールを把握するのに時間と労力を割きました。一番難しく、また重要で、そして楽しかったのは顔の造形です。老成したピラルクーの頭部には不思議な紋様のようなレリーフが刻まれていて、そのパターンを何体かの個体を見比べて共通点と思われるポイント、個体差と思われる差異について検証しました。

実物の生きものに対して、フィギュアといういわゆる<作り物>がかなう点はほとんどありません。本物は文字通り本物であって、それに対してフィギュアはどう上手く作ろうとも「作り物か」「なんだ偽物か」という評価に甘んじます。ですが本物は本物故にそれ以外の替えがきかず、生きものにおいては「個体」と認識されます。
僕は以前から、フィギュアが実物の生きものに勝る点があるとしたらまさにそこだと考えていました。その生きものを深く知ることによってその種が共通して持っている特徴と、対して同じ種でも差異がある点(個体差)を自由に調整して表現物のなかに落とし込めるようになります。その種の典型的な特徴をつめこんだ見本となるようなものも作ることができますし、その種の過剰な個体差を表現した極端なものも作ることができると言えば分りやすいでしょうか。
今回のフェバリットの古代魚シリーズでは監修者さんの力も存分に借りて、その典型的であるポイントと個体差の限界のようなポイントをバランスよく配置することにとても気を使いました。

ピラルクーで言えば体の造形的な部分は典型的な特徴になるようにデータ収集と検証を重ねて製作しました。
一方、体に入る赤い模様については、「いちばん赤いピラルクー」を検証しました。つまり個体差の極点を探ろうというものです。
単純なはなし、全身を真っ赤に塗ってしまえば一番赤いピラルクーの完成ということですが、目指したのは「いるかいないか、とにかく見たことはないのだけれども、ここまで赤い模様が入るピラルクーがいても全然おかしくない」というラインです。これの検証と検討にやはり五十嵐さんと半日語りあったのも、これもやっぱりいい思い出(笑)
そしてさすがに驚いたのは、五十嵐さんの脳内データベースから出てきた参考個体は今までピラルクーについての書籍や雑誌の特集などではなく、アクアライフ誌の中でもお宅訪問というピラルクーとは関係ない特集記事の、飼い主さんがメインに映っている背後に小さく見切れているピラルクーであったことです。ほんとうに自分の興味のある対象についてどこまで広く深い視点を持っているのかと、99%の感心と敬意とともに1%ほどの呆れがあったことを否定いたしません。

結局そんなこんなで、またしても五十嵐さんの思い入れたっぷりなピラルクーが完成しました。これについても、そしてまたしても打合せの後、「あともう少し、ウロコ2枚分くらい赤が入る位置を前にしてもらえますか」というメールをいただきました。ずっと考えているんだろうなあ……



それから最後に巨大感について、よく大きさを強調する手法として「パース」という表現が用いられます。ウルトラマンが飛んでくるシーンで前に突き出した拳が強調されて大きくなっているアレです。
まさか手に取って360°眺められるフィギュアで体のバランスを大きく変えてしまうことはできませんから、その代わりに体に彫り込んである鱗のモールドを体の後半にいくにしたがって少しずつ浅くしてみました。巨大な長い物体が近づいてきて、前は見えていて後ろはすこし霞んでいるというような手法でパース表現を試みました。
それから今回の4体の中でピラルクーだけ頭をもたげている角度で台座に取り付けました。イメージとしてはゆっくりと水面に空気を吸いにいくシーンを意識したのですが、演出上の元ネタは某宇宙戦艦であることをここで白状しておきます。なんか巨大感、出たでしょ?(笑)
| 制作日誌 | 15:43 | comments(0) | - | - | - |
ポリプテルス・エンドリケリー ソフトモデル
先日、フェバリット社から発売になった古代魚シリーズ。何度かこちらで紹介しておりますが、改めてこのブログでも紹介記事を書いてみようと思います。

ということで1体目はポリプテルス・エンドリケリーです。


とは言え、フェバリットのインタビュー記事、さらにエンドリケリーに関しては来月発売になるアクアライフ誌でもけっこうな熱量で語ってしまっておりますので、まずはそちらをご覧くださいませ。

ですので、こちらでは裏話的な視点で少し解説を加えてみたいと思います。


ポリプテルス・エンドリケリー

監修をポリプテルスのリビングレジェンド五十嵐利明氏にお願いしたこともあって一番難航し、一番語るべきところが多く、一番完成度が高い、そんな思い出深い作品になりました。
この監修をお願いする前、私は一方的に(そしてもちろん)五十嵐さんを知っていて、とある過去の企画の際電話で数分お話をしたことがある程度でした。そして幸いなことに五十嵐さんも私の過去の1m級シルバーアロワナの製作者として私のことを認識していただいていて、とある紹介者さんを通じて監修をしてもらうということまではスムーズに話が進んだのでした。

さて、そのとある紹介者さん、つまりはビバリウムガイド編集長(現)冨水明氏に今回のフィギュアについて説明をし、五十嵐さんを紹介してほしいという連絡をしたのですが、当初冨水さんからは……

「紹介してもいいけど、やめておいたほうがいいかもしれない」

というようなことを言われたのを覚えております。
理由は、「監修してくれるとは思うけれども、エンドリケリーに関しては五十嵐さんの思い入れが強く、要求されるハードルを考えるとやってられなくなるかもよ?(苦笑)」とのことでした。
とはいえ、今回の仕事が持ち上がる前から、もしエンドリケリーを作るなら五十嵐さんのお墨付きをいただきたいと思っていて、それ故に手が付けられなかったヤマでもあるので、そして僕生来の楽観的な性格もあって、「うん、でもやる。やってみたいし、五十嵐さんに見てもらえないのではエンドリケリーを作る意味がない。」と生意気にも言い放ち、五十嵐さんにつなぎをつけていただいたのでした。



僕の場合、魚を、特にリアル作る際気を付けていることがあって、それは「生きているような雰囲気で作る」ということと「鱗(特に側線鱗)と鰭条の数を正確に作る」ということでした。ですので五十嵐さんに連絡する前から鱗や鰭の数値的なことを言われるのは覚悟していました。
が、果たして五十嵐さんから最初に来たメールには、「側線の形状と並び方に注意してください」という私の予想の範囲を超えているものでした。「え、側線ってただの孔じゃないの?」「並び?鰓のやや上側から1列にならんでいるんじゃないの?」とぼんやり思ったのを覚えています。しかして答えはもちろんNo、エンドリケリーの側線は鱗に対してスリットのような形状で、体の前半部は段違いに、階段状に側線が並んでいることをその時初めて知ったのでした。


そんなこんなで実際にお会いして途中経過を見てもらい、件の側線についてのレクチャーを受ける。


私が持参した過去のアクアライフ誌のポリプテルス特集号から色、模様、各パーツとボディの形状について考察し、さらに五十嵐さんに持ってきてもらった論文資料で頭骨の形を確認、後述する鰭の形状の指摘、途中経過の実物のモデルに直接赤を入れてもらって今後の修正ポイントを確認、さらには五十嵐さん本人による模様についての考察等々々々、宿題を大量に抱えてエンドリケリー製作を進めていったのでした。
※背鰭の棘が2又に分かれているのでそれを表現してほしいと言われました。

生産の都合上そこにパーティングラインがくることはわかっていましたが、とにかくやりました。分かりづらいですが実商品でもよく見るとそこは確認できます。


途中経過は大幅に省略しますが、そんなこんなでポリプテルス・エンドリケリーフィギュアは完成しました。
もう僕は言われたことをこなすことだけで精一杯。目の位置は1mm以下のレベルで数回位置調整をしました。もちろん目以外にも頭部の形状(横から、上から)については細かく指示が入ったし、背中の盛り上がり方にも指摘がありました。あとは各鰭、尻鰭の形状については特に。模様については原型が完成してから後日改めて直接会って、体の模様は言うまでもなく、頭部、背鰭、尾鰭、尻鰭、胸鰭については裏表それぞれに指摘が入り、帰ってからメールで、「あと、背鰭の棘にも模様を入れてほしい」と連絡が入る。最後の最後までお互い気を抜くことなく指摘と修正を加えていったことも今となってはいい思い出です。
あとは製作途中どうしてもボリューム感がつかめなかったので90×60水槽と50クラスのワイルドエンドリを数本買いました(笑)これもいい思い出。


ということでいろいろ大変で、でも楽しかった分「見どころは?」と聞かれると「全部。」と言いたくなってしまうのですが、最後に鑑賞ポイントを書いてポリプテルス・エンドリケリーの紹介をしめたいとおもいます。

・全体的なシルエットは60cmクラスのワイルド個体をイメージしています。頭部の形状(平たさ、目の前後の位置とでっぱり具合、下顎の出具合の自然さと力強さ)は特に見どころです。

・頭骨のパターンは正確に彫り込みました。この形状だけでエンドリケリーと同定できるレベルです。実際の魚ではなかなか確認しづらく、標本にしないと見えてこない部分ですが、手に取ってみてもらえるフィギュアならではなのでこの部分の作り込みは力をいれました。

・背鰭の数は14本です。一般的には12枚くらいがよく見かける数で、エンドリケリー種は11〜14(〜15)枚の小離鰭を持ちますが、記載論文の個体が14だったのでそれを記念碑的な意味でとらえ14としました。一番前のヒレは少し前傾するところもポイントです。

・側線の形状と並び。鱗に対してスリットがはいるように側線があります。体の前側から5枚側線鱗が並び、1段下に下がって5枚、さらに1段下がって3段目は尻鰭まで側線鱗がつながっていきます。商品にも彫り込んでありますのでルーペでご覧ください。

・身体の模様は五十嵐さんの趣味で(笑) バンドは大きく分けて5本入り、真ん中の一番太いバンドは背鰭の3枚分の太さ、とかこれはもう五十嵐さんの趣味の世界です。はじめは太すぎて違和感があったのですが、実際にこのくらいの太さの個体を五十嵐さんが飼っていて「ほんとにいるんだ!」となりました。綺麗に逆Y字の模様が入るのもたいへん珍しいです。

・各鰭の模様にもこだわりのポイントが。特に胸鰭の腹側のシミのように広がってはいる黒点や尾鰭の放射状に広がる模様は過去に見られた極上個体からのよりぬきです。


という、結果として今までエンドリケリーを見てきた中での「ベスト」を寄り集めて製作したものになりました。ベストな「体型」「顔つき」「模様」等の各部門の1位を集めた夢の個体、というような位置づけです。

そういう意味ではどこを探してもこんなエンドリケリーはいないともいえるのですが、でももし万が一にもいたら絶対に欲しい!そんな個体を作ったつもりです。そしてこれこそが、実物よりもフィギュアが持ちえる強みだと思っています。



こういう形でエンドリケリーを作れる機会を与えてもらえたフェバリットさんにも、容赦なく言いたいことを言ってもらった五十嵐さんにも感謝なのです。
| 制作日誌 | 17:44 | comments(0) | - | - | - |
作品展×2と古代魚シリーズ
いよいよ今週末から始まる作品展2つとほぼ同時に発売になる古代魚フィギュアシリーズのおしらせを今週はたくさんしていきましょう。

今回は予告的に列挙していきます。


守亜作品展「Afro RE:/Masalatic-Safari」
2016年4月2日(土) - 4月10日(日)(火・水曜休廊)
11:00〜19:00(最終日 〜18:00)
※9日(土)のみ守亜は不在です。
ギャラリーアートスープ(群馬・前橋・中央アーケード内)


スタチュー、根付、根付ストラップともに新作があります。通販を受け付けるのはスタチューの一部と根付の新作のみになりますので是非是非会場へ、群馬へ足をお運びくださいませ。久しぶりのネイチャー系作品展です。(9月はいつもの花影抄で幻想系の作品展があります)
また、スタンプラリーも開催中。こちらは地元の人が有利ですが、当日でもがんばればスタンプ3つは集められる、かなあ。

直前にいろいろと情報をアップできると思います。


根付の新作は3種。









夜想・髑髏展


[Artist]
相場るい児
金子國義
建石修志
トレヴァー・ブラウン
中川多理
野波浩
フジイフランソワ
丸岡和吾
守亜
山本タカト
山本直彰

2016年4月1日[金]〜5月8日[日]
月〜金/13:00〜20:00 土日祝/12:00〜19:00
入場料:500円(開催中の展覧会共通)
会場:parabolica-bis [パラボリカ・ビス]
東京都台東区柳橋2-18-11


こうべと九尾

・・・新作等5点(+根付ストラップ)を出展します。

こちらも今週中に私の出展作品の紹介ができると思います。








それからお待たせいたしました。

フェバリットからエンシェントフィッシュシリーズが発売になります。


発売日は4月上旬、来週には発売になります。
フェバリットのサイト他、水族館などでも買えるようになるとのことです。

うちにはいち早く製品版のサンプルが届きました。

原型、塗装見本を担当して、こういうマスの商品、いわゆるおもちゃ的なアイテムに関わるのは初めての経験でしたが、クオリティは非常に高いです。この中でオススメはなにかと聞かれても「全部」としか答えられないくらいどれも思い入れがあり、真剣にとりくんでフェバリットさんと商品開発をしました。
サイトのインタビューも併せて読んでいただきたいですが、発売になりましたらこのブログでもさらに解説を加えられたらと思っています。
| 制作日誌 | 16:47 | comments(0) | - | - | - |
2016年は改めて根付について考えてみたい
前回お知らせしたときは発売直前だった大映怪獣根付シリーズ、年末に発売になり、年明けに販売サイトを確認した際にはもうすぐ完売!?という勢い。さすがはガメラといったところでしょうか。特に昭和版のガメラはあと数個になっているようですので気になっている方はお急ぎください。

大映怪獣根付 ガメラ(大怪獣決闘Ver.)
大映怪獣根付 ギャオス(大怪獣空中戦Ver.)
大映怪獣根付 ガメラ(邪神覚醒Ver.)


(C) 1999 KADOKAWA TNHN
(C) 1966 KADOKAWA
(C) 1999 KADOKAWA TNHN

近いうちにまた怪獣根付についての打合せが行われ、今年の怪獣根付シリーズについてなにかしらの方向性が話し合われると思います。どこまで続くのかは私にはわかりませんが、作る機会をもらえている限り全力で関わっていく所存です。
ご期待いただけたら嬉しいです。



と、こういうお仕事に関わってきて去年から特に「根付って何?」「ストラップとは違うの?」という質問をされる機会も増えました。まあここをいつもご覧になっている皆様にはいまさらながらの説明は不要でしょうから改めて説明はしませんが、口で説明するよりも行動、もちろん私の場合は制作による成果で「根付とは?」という問いに答えていきたいと思っています。まあ説明するよりも見てもらう方が早いってことですね。
そのために使うことに特化した根付と根付を使うための提物を今年はたくさんデザインしていけたらな、と。

さしあたっての成果がこちら

やはり根付は丸いほうが使い易いでしょう。
饅頭根付も作ってみようかとも考えています。
提物の販売もオンラインショップで始めたいですし、新しい提物のデザインもね、アイデアはたくさんあります。
| 制作日誌 | 22:00 | comments(0) | - | - | - |
諸々
年末だからというわけではないのです。その証拠におそらく年が明けてもほどほどに忙しい。でも、毎年恒例の冬のワンフェスに向けての根付ストラップの原型をまとめて作るこの時期は1年の中でも気の急く時期なのです。
毎年これが終わるとちょっとホッとするのですが、今年はそういうわけにもいかず、4月の群馬での作品展に向けての準備をはじめます。珍しくちょっと大物、文字通り大きな作品を作ろうと思っています。

まあそんなわけで、このブログの更新頻度も下がろうという感じなのですが、それでもブログでお知らせしたいことがいつにも増してあったりして、困っております。というわけで、今回はこれからの記事の予告編を少々。


大映怪獣根付いよいよ発売。
と、思ったら少しだけ延びました。決してさぼっているわけではなく、キャラアニの怪獣根付チームが仕上がってきた商品をチェックして直しを指定したりして少しでもクオリティをあげようと頑張っています。今回も目は私自身がすべて入れました。ほんとうなら塗装班の方にやっていただいたほうが効率はいいのだと思いますが、僕のわがままでそうさせてもらっています。お届けまでもう少々お待ちください。

(C) 1999 KADOKAWA TNHN
それぞれの制作についての解説は次回以降に。



東宝怪獣根付第4弾
今年はゴジラに始まりゴジラで暮れる。

TM&(C) TOHO CO.,LTD.
初ゴジ以降はビオゴジ、GMKと平成ゴジラのラインナップが続きましたがとうとう満を持してのモスゴジです。
ある意味で最もゴジラらしいゴジラともいえるバージョンですから相当、ほんとうに悩んで締め切りをちょっとだけ延ばしてもらったくらい悩んだゴジラになりました。その分だけ自信を持ってお届けできるものになったと、とりあえず自分では自負しているのですが、どうでしょう・・・

さらに初代アンギラスガイガン(昭和版)がラインナップに加わります。
これも後で個別の制作記事にしようと思っているのでここでは語りませんが、それぞれにこだわりポイントがあります。特にガイガンはキングギドラに続く「根付として無理のあるデザイン」の怪獣ですから相当悩みました。アンギラスについては僕の得意分野である爬虫類に近いデザインですので、いままで作ってきた根付の意匠を集約する想いで表現してみました。
まあ詳しくは後ほど。



台湾作品展、そして台湾での販売店について
これもきちんと書こうと思うとなかなかまとめて時間がとれず滞っております。
実は台湾で私の根付作品の取り扱いも始まっておりますので、そのことについてもお知らせしなければなりません。

今年中に書きます。



ワンフェス用新作

久しぶりの原点回帰、両棲爬虫類をメインに制作を進めています。
素材は今年発売になったクレオスのスカルプトクレイをメインに使ってみています。
コシの強さが使っていて心地いいのですが、グレー系の色を出してほしいなあという思いも。
今回のラインナップはワンフェス直前にお知らせします。スカルプトクレイのレビューについても書いた方がいいのかな・・・?


いろいろなおしごと

この画像のものはアクアプラントでの販売用というわけではなく、それぞれ別々の場所で別々の目的のために制作している原型です。今後タイミングが来たらそれぞれお知らせしていきます。
| 制作日誌 | 16:49 | comments(0) | - | - | - |
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